アート イノベーション賞

Dress for Venus

イベント概要

世界中のあらゆるビーナス達は、裸である。特にウィリアム・ブグローの描いたヴィーナスは、100年もの間、裸で立ち続けていた。我々は、裸のヴィーナスにドレスを着せることで、その美しさをさらに際立たせることができないかと考えた。これは、古典芸術にテクノロジーを掛け合わせることでアートの可能性を広げる、新しい挑戦であった。ヴィーナスのための「オートクチュール」を作るためには、平面上では限界があったため、彼女の体を3D化し、そこに直接服を「描く」のが最善の方法であった。VRドローイングで立体的にドレスをデザイン。ヴィーナスのマネキンの上にAR投影を行い、ドレスを着せた。さらに、ブグローの画風を機械学習でフィルタ化し、ドレスを絵画の世界観に合わせ仕立て直した。この作品を、日本最大級の国際アートの見本市である「アートフェア東京」で発表したことで、数多くのメディアが取り上げた。

選考委員コメント

裸のヴィーナスにドレスを纏わせるという発想自体が、クリエイティブでユニーク。さらに絵画の3D立体化技術、VR技術を使ったペインティング、AR投影での再現などコンピューターテクノロジーと古典芸術という組み合わせもインパクトがありました。会場ではコシノジュンコさんにその場でドレスをデザインしてもらうパフォーマンスなど豊かな芸術性が評価され、「アート イノベーション賞」の受賞となりました。