戦後のアメリカ統治を経て2018年に返還50周年を迎えた小笠原諸島。西洋・東洋・南洋が入り混じって生まれた独自の文化や、統治を経験した歴史は日本の中で特異な存在である。世界自然遺産に登録されてからは色彩豊かな自然が有名となった一方で移住者も増加し、島民の文化や歴史に対する認識も希薄になっていた。そこで50周年にちなみ、島民が選定した島の50の魅力を色で表現した、50色のオリジナル絵具『OGASAWARA 50 COLORS』を開発。一般発売することで島外へPRすると共に、絵具を使って島の親子や子供たちを中心に“私の好きな小笠原”をテーマにしたお絵かきイベントを実施。さらに、そこで描かれた絵を「小笠原 色いろ展」と題して都内や小笠原と所縁のある地域で展示。この活動はNHKをはじめ多くのメディアに取り上げられ、島民の郷土愛を深めることにつながった。
本土復帰50周年の記念として、50色の絵具を作り出し、商品として販売するという着想、コンセプトが評価されました。また、50色全部に島の自然・文化・歴史を想起させるネーミングをしたことや、島の親子や子供達にその絵具を使ったお絵かきイベントを実施するなど、島を知る契機となり、島に対する愛着を育むことに大きく寄与した点が評価され、絵具の色の名前を拝借し、「アオウミガメの涙賞」が贈られることとなりました。