開会式は「WE HAVE WINGS」をテーマに、異なる個性が世界に新しい風を起こすことを表現。国立競技場のフィールドを空港と見立て、片翼の少女を主人公にしたストーリーを展開。片足や盲目の飛行機たちといった多様な出会いに勇気をもらい、最後は自分の力で力強く飛び立つ姿を世界に届けた。163の国・地域から史上最多となる約4,400名の選手団が参加。国民のハートにポジティブな光を灯し、開会式演出が世の中から高い評価を受けたことで、選手にポジティブな空気をまとったバトンをつなぐことに成功した。
閉会式は「Harmonious Cacophony(調和する不協和音)」をテーマに実施。
表現したのは「違いが輝く」世界。多様な身体、ユニークなテクノロジー、様々な素材。それぞれが、混ざり合って1色になるのではなく、「らしさ」を発揮した状態でカラフルに合わさる。一見不協和音になりそうな状態から生まれる、新しい調和。違いがあることで対立が生じるのではなく、私たちは国籍や障がいの有無を超えて新たな未来が生まれることを世界へ示した。閉会式も選手の活躍に応える評価を世界中から獲得し、日本開催のパラリンピック成功に大きく貢献した。
開会式、閉会式に一貫した「多様性の可能性」という哲学、演出技術に高い評価が集まりました。障害のあるなしに関わらず、キャストとの徹底したヒアリングによって個人の特徴を存分に活かす演出を徹底、昇華したオリジナルストーリーに仕上げた舞台裏のプロセスは、多くの関係者の努力の賜物だと思われます。キャスト、スタッフが一体になった結晶として永く記憶に残る演出として特別賞が授与されました。