東日本大震災から10 年を期し、これまでの世界中からの支援に対する感謝の気持ちを宇宙から発信するイベント。
震災以来、ワンアースが続けてきた「きぼうの桜計画」(千年生きる宇宙桜を被災地に植え希望のシンボルにする事業)を通して醸成された市民交流の中で、宇宙から世界へ復興を発信しようという東北市民の気運が盛り上がり、このイベント実現に繋がった。
山崎直子宇宙飛行士が委員長となって東北三県自治体に参加を呼びかけ、津波を受けた沿岸全域を含む46市町村の首長からなる実行委員会を組織。各自治体から復興10年を語る「画像」と世界への感謝の「メッセージ」、さらには花や野菜の種などの「記念品」を集めNASAから宇宙に打ち上げた。
復興10年の画像は長さ7mの絹の横断幕に刷り、これをJAXA野口聡一宇宙飛行士が国際宇宙ステーション船内に掲げ、その前で世界への感謝のメッセージを読み上げた。この動画は2021年3月11日に世界へ発信。NHKや主要新聞等で大きな話題になった。
各地から宇宙飛行した記念品(種等)も無事7月に地球へ帰還し、ポスト10年の復興&地域振興に末永く活用される。例えば福島県ではフライトした酵母から「東北復興宇宙酒」を創生するなど、各地で明るい話題を創生し無数の報道となった。また、イベント学会の研究助成を受け、全国都市緑化仙台フェア2023への出展を目指した宇宙植物園企画検討も始まった。
東北大震災から10年が経ち、復興半ばではあるが、被災後に受けた国内外からの様々な支援に感謝のメッセージを伝える、それも宇宙からというプロジェクトの理念、スケール感が高く評価されました。被災3県の46市町村から子供たちによるメッセージを野口宇宙飛行士が読み上げるというドラマチックな映像に心を打たれた方も多かったと思います。これからも被災地の記憶と教訓を引き続き発信していただければと思います。