シルバー賞

行田花手水week及び希望の光

イベント概要

「コロナ禍において、参拝していただいた方々に癒しを提供したい」との想いから、2020年4月に行田八幡神社で、水鉢を季節の花々で彩る「行田花手水」が始まった。その後SNS等で話題となり、行田花手水を目的とした来訪者が徐々に増加していった。そこで市職員が「神社だけでなく、地域全体で来訪者をおもてなしするとともに、忍城や足袋蔵を有する歴史的なまち並みを高付加価値化したい」と周辺の商店や民家に声掛けをし、その協力を得て、商店等の軒先に花手水を飾り、まち中を彩る「行田花手水week」を同年10月より開催することととなった。
さらに、他地域の花手水と一層の差別化を図ることや地域課題でもある来訪者の滞在時間を延伸することを目的に、2021年4月からは毎月一夜限定で、日本文化「和」をテーマとしたライトアップイベント「希望の光」を始めた。当イベントでは、「行田花手水week」に参加する商店等の花手水をライトアップする他、メイン会場となる忍城と行田八幡神社、前玉神社では、花手水をはじめ、城や社殿のライトアップ、和傘や竹灯籠等市職員や各施設スタッフ自らで幻想的な演出をし、来訪者に希望の光を灯している。
両イベントともに、開催期間になると商店主や住民自らが花手水やライトアップの準備作業を行い、地域が主体性を持ちながら、行政と協働をする持続性のある取組みである。引き続き、両イベントを推進し、忍城や足袋蔵等の歴史的遺産を将来に継承していく。

選考委員コメント

手水鉢を季節の花々で彩る「花手水」自体は、各地の寺社仏閣でも行われているが、これを「神社」だけでなく、街全体の取り組みにまで広げていった活動の軌跡が高い評価を得ました。地域行政、商店会はじめ地元住民、神社の協力で、面としての回遊性を高め、ライトアップ事業で滞在時間を伸ばすなどの工夫も評価されました。