世界各国で深刻化する、海洋プラスチックごみや廃漁網等による環境への悪影響。この課題に対し、様々なファッションブランドが、海洋プラスチックごみ等を再利用したサステナブルなアイテムを展開している。彼らの取り組みを人々へより認知/理解させ、メインチャネルであるECへの流入きっかけを創出する、新たなタッチポイントを模索した。
そこで注目したのが、日本最大級の水族館「海遊館」の、サンゴ礁の海を再現した「グレートバリアリーフ水槽」。この水槽がリニューアル工事の為に一時閉鎖されるタイミングを捉えた。水と魚が抜かれ、水族館としては機会損失である“空の水槽”をショーウィンドウとしてリデザインした。
「サンゴショーウィンドウ」
水槽内にマネキンを設置し、サステナブルアイテムを展示。アイテムを通じて、各ブランドの取り組みや、海洋保全ついて知り考えるきっかけを与えた。また、ショーウィンドウのQRコードから、各ブランドのECサイトへアクセス可能にし、「販売チャネル」としても機能。メッセージを受け取るのみならず、海洋保全に対して一人一人が自ら関与できる「具体アクション」にも繋がる場にした。
期間中の体験者は約25,000人。「空の水槽の有効活用」が話題になり、テレビ・新聞・WEB等、約300件以上のメディアで紹介、各ブランドのEC訪問が、期間中120%~500%に上昇し、認知獲得・行動喚起に貢献した。
水族館の水槽のリニューアルというタイミングに、海洋プラスチックごみや廃棄魚網を原料にしたファッションアイテムを展示するというアイデアが評価されました。社会課題の解決の手法をアピールすると同時に、水族館、リサイクル可能な紙製のマネキン製造会社、環境意識の高いアパレルメーカーの共創イベントという点も評価されました。