大阪の中心地、エンタメとユーモアが溢れる西日本最大の歓楽街「道頓堀」。軒を連ねる店々の派手な“立体看板”は、このエリア独特の文化であり、観光資源にもなっている。
その中でもトップの知名度を誇り、この文化を牽引してきた老舗ラーメン店「金龍ラーメン」の龍の立体看板の“しっぽ”が、隣地にはみ出していると訴えられた。飛び出し目立つ看板は、道頓堀の店々の商習慣ではあったが、撤去せざるを得ない状況に。長年親しまれてきた街の名所/お店のシンボルが、無くなってしまう危機を迎えていた。
そこで、「立体看板を巡る争いを、大阪らしいユーモアと街の人情で、明るいニュースに変える」ことで、人やメディアが共感できる“イベント”に仕立てた。
はみ出した“龍のしっぽ”を、ただ撤去するのではなく、まるで切られたかのような断面の“しっぽ痕”にしたのだ。ただの撤去工事だったはずの日、大規模な切断式イベント実施。他店舗の邪魔にならない深夜に行ったにも関わらず、多くのメディアや観光客が集まり拍手喝采が起きる事態に。その後の“近所のカニコラボ”展開等含めて大反響となり、地元民から外国人観光客も含めて、しっぽ痕を目撃する、話す笑う、写真撮影、SNSシェア等のアクションを生む、新たなイベントスポットとなった。
立体看板の争いを、皆が笑える「道頓堀を舞台にした物語」という“全員参加のイベント事“に激変させたのである。